アカシア便り−60(日本滞在中の活動)        97−8−21

 今回の夏休みは 7/24(木)に帰国して 8/28(木)に大連に戻ることに

なっている。この間に新しく9/1(月)から勤めることになった 大連市信息中心

(DIC)の宣伝と今後の仕事のための勉強、それに囲碁関係のつき合い等で
あっという間に4週間が過ぎた。

 DICの宣伝では ヴィ・シー・アイ(Value Creation Institute)の高本取締役と

NSD(Nihon System Development)の橋本取締役とお会いして 具体的な話を進める

ために お二人が大連を訪問して下調査をする段取りになった。高本さんはウクライナ

の電力システム開発のプロジェクトリーダーであり 橋本さんは営業本部に所属して
おり海外担当である。それぞれ囲碁の腕前も達者で 6段と3段である。

 その外に IBM関連で GBS(General Business Service)の加藤社長、関西
情報
ソリューション(株)の灰本社長と会い昼食をごちそうになった。
更に日本IBMの竹内取締役と三木部長にも会って 会社概要を説明した。

 DICでは 新たにソフトウェアの品質管理について助言することを求められている

ので IBM本社の業務改革推進に電話でISO9000の質問をした。 この問題は

大和事業所の安藤担当が専門だと紹介され、8/19(火)に大和を訪問して 新倉忠隆

ソフトウェアISO9000委員会委員長と会って 相談することができた。

 ISO9000とは ISO(国際標準化機構)により、1987年に制定された品質

保証に関する一連の規格である。第三者(機関)がこの規格を満たしているかどうかを

審査し 合格すれば公表(登録)し それによってお客さまの信頼を得るものである。

 EU諸国では ISO9000の審査登録が義務づけられており 取得していない企業

との取り引きは原則として認められていない。日本でも これが海外取引き 特に米国

との間では必須となりつつある。

 第三者審査登録を取得するまでの一般的なステップは次のようになっている。

 事 前 準 備 ;登録範囲を決定して 審査登録までのスケジュールを作成する。

 文 書 化  ;品質マニュアル、社内規定、手順書、作業指示書等を作成する。

 システム確立 ;品質システム文書に基づいて業務を開始し 適合性を検証する。

 審 査 登 録  ;内部品質監査と是正を重ね 第三者審査を経て合格すれば登録する。

 維 持 管 理 ;登録後のフォローアップ

 例えば 登録範囲の決定では『経営者の責任』という項目があり その内容は品質方針

が作業者レベルまで理解、徹底しているか また 経営方針、品質方針、品質目標のブレー

クダウンと徹底がなされているかなどがチェックされる。

 日本には 現在 審査機関が10ほどあって 審査登録までには 早くて最低1年はかか

るということである。

 ISO9000とは関係ないが 日本IBMのソフトウェア開発では データ中心型

アプローチ(DOA)という手法を使って 品質点検を実施し 品質のよい結果、成果物

が得られるような事例が紹介されているのも参考になる。

 囲碁関係では 毎月第4土曜日の例会に 7月と8月の2回参加できた。

会場が新宿の『天元』になって始めての参加であるが いす席になっていて

なかなか快適である。毎月 20人ぐらいの人が集まって 自分の打ち碁を並べながら

小松八段の解説を聞くのだが 他人の打ち碁でも大変参考になる。自分の打ち碁を解説

してもらったらもっと参考になるので これからは棋譜をとることにしよう。解説会の

あとは 3面打ちの指導碁である。7月は わたしも指導碁を受けて 6子局で勝たして

もらった。指導碁では よほど変な手を打たない限り 細かい勝負になるのが普通だが

先生の石を取りにいったりすると 絶対と言っていいほど負かされる。読みの深さが

違うのである。でも 無難な手ばかり打っていても面白くないので よく読んだつもりで

勝負手を打ったりすることがあるが 99%負かされることが多い。勝った碁でも 局後

随所に悪い手があることを指摘され 勝つことの難しさがよく分かって参考になる。

 8/6には 昨年の三峡下りと 今年の西安−敦惶への旅に参加した日本IBM囲碁

チームのメンバーの同窓会があった。この会は 秦倹さん、周向黎さんご夫妻の送別会

でもあり 特に 愛知県湯谷温泉から片桐さんご夫妻が参加されて 20名が集まった。

仕掛け人の兵藤さんも当然出席する予定が 夏休みで親孝行のために帰省していたのが

突然のぎっくり腰で 参加できなくなり残念であった。

 今回のわたしの帰省中に 兵藤さんと一度も会わずに 大連に帰るわけにはいかない

ので 高本さんと一緒に 16日〜18日の2泊3日で 長野まで行ってきた。

 16日は 高本さんと13:00に水道橋で待ち合わせをして 瓊友会(長崎大学の

同窓会)の定例囲碁会に参加させてもらった。この定例会は 毎月第3土曜日に開かれ

ているそうで 初段から6〜7段の人が参加されているそうである。今年 中国旅行に

行った原岡さんも常連であるが この日はお盆休みの人が多く 4人だけであった。

 この例会のあと 上野から18:00の特急『あさま』で長野に行った。

 兵藤さんのぎっくり腰は 3日間の絶対安静で落ち着いたということで 思ったよりも

元気であった。翌17日は 兵藤さんの考えてくれたスケジュールに沿って 朝4時に

起床し 座禅を組むために40分〜50分ほど歩いて 座禅道場のある大本山活禅寺と

いうお寺に行った。同行したのは 我々3人と 長野オリンピックのプロジェクトに出向

してきているノルウェー人のランディさんの4人であった。

 お寺には われわれ4人を含めて20人ほどの人が来ていたが 初心者のわれわれは

20分ほど座禅の作法を教わり 参禅することができた。

 座禅は 円座といわれる直径40センチ、高さ10センチの座布団のまえ3分の1の

ところに座って 片足をももの上に上げ 背筋を伸ばして約50分座る。座禅の作法は
部屋の出入りはすべて右足から、座禅の前に円座の上で足踏みをする、座った後
身体を前後左右に動かして全身の筋をやわらげる、目は半眼で1メートル先を見る、

呼吸は欠気一息と言って 鼻から深く静かに腹いっぱいに吸い込んだまま 数をかぞえ

静かに吐き出す等である。

 座禅のあとは 善光寺の雲上殿の納骨堂を参観し 善光寺にお参りをして アパートに

帰ってきた。そのあとの朝食は 大変おいしかった。 朝食後は さすがに疲れていて

30分ほど休憩して出かけるつもりが 3人とも1時間半も眠ってしまった。

 昼から 電車を乗り継いで 篠ノ井にあるIBMのオリンピック・プロジェクト
オフィスに行った。このプロジェクトは総勢400人を越える規模になっていて
日曜日にもかかわらず出勤している人がいた。そして 約160日後に迫ったオリン
ピックの本番に向けて 競技種目ごとにシステムの開発が進んでいる様子を見て
一種 熱気のようなものを感じた。

 その後 タクシーを飛ばして 松代温泉の一陽館に行き 茶色の露天風呂にゆっくり

はいって さっぱりと汗を流した。ビールをのみながら一陽館のおかみさんと話して

いるうちに 彼女と兵藤さんが渥美半島の田代町の出身であることが話題になり 一層

話が弾んで われわれの飲んだビール代がただになった。

 夕刻 長電バスで長野に戻る途中、今は公園になっている川中島の古戦場を通った。

 次の訪問先は 日本棋院『天狗道場』支部である。道場の主、越さんは 7段の腕前

だそうで この日も ほぼ 満席に近いお客さんがいた。

 越さんに 11下旬に開かれる『のおがたV97アジア国際囲碁フェスティバル』の

案内状を見せたところ 思いがけなくも『是非参加したいので もっとくわしい情報が

ほしい!』と言われた。

 この大会は 大連市少年少女囲碁研修学校で校長先生をしている張成6段が 日本を

訪問したいと言うことから菊池康郎さんと相談した結果 紹介されたものである。

この大会は 彼の主宰する『緑星囲碁学園』の協力のもとに 彼が理事長をしている

『国際囲碁友好会』が主催するもので 20か国、1000名を越えるアマチュア囲碁

同好者が集まることになっている。張成さんの目的は 菊池さんと会って『緑星囲碁

学園』を見学することと 子供たちの指導方法等について意見交換をしたいと希望して

いるのである。

 中国の場合 一般の人が海外に出るとき ビザの審査が大変厳しく 過去の経歴や行い

がすべてチェックされる。これらは 档案袋と呼ばれる袋の中に 入れられて管理され

就職の時や 人生の節目節目で 必ず その内容がチェックされる仕組みになっている。

 11月の囲碁フェスティバルでは 特に 中国の選手団に気を使っていて 直方市長が

身元引受人になって 万全を期しており ビザをとりやすくしているとのことである。

 18日 長野からの帰りに 五反田の『国際囲碁友好会』に行き 山下事務局長に

越さんのフェスティバル参加の申し込みをすると同時に 張成6段の日本訪問について

相談した。中国からは すでに11チームの参加申込みが来ているそうである。

 わたしの大連での日本語教師生活も 3年を経過した。この間 冬休みと夏休みに

約1か月の休暇をとって 日本に帰ってくるのだが 庭の手入れでは 毎回 嘉瀬さんに

来ていただいて 植木の剪定等をしてもらっている。午前中に 庭仕事が終わったあとは

夕方まで 必ず 囲碁のお手合わせをするのが また 楽しみの1つにもなっている。

 8月になると 彼はお孫さんの世話をしなければならないとかで 毎日町田のプールに

連れて行くのが日課になっているらしい。

 8/20午後 三女沢子に男の子が生まれた。男ばかり3人目の孫である。