読書(3)

Reading books – 读书 / 讀書

Bandai Highlands, Japan (2016), by Masayoshi Toyoshima

 

内容

20012012... 2

中村淳著『まじめなキヨちゃん――劣等生長じて高校教師になる』(2001年)... 2

大前研一『チャイナ・インパクト』(2002)、『ロシア・ショック』(2008... 3

ダン・ブラウン著「ダ・ヴィンチ・コード」(2004年)... 3

リック・ウォレン著「人生を導く5つの目標」(2005年)... 3

キリスト教『聖書』をコーヒーショップで読む会(2006年)... 3

J. & D. ネイスビッツの「中国のメガトレンド」(2010年)... 3

鮎川哲也著『ペトロフ事件、鬼塚警部事件簿』(2010年)... 3

井上ひさし著『円生と志ん生』(2012年)... 4

2013... 4

井上ひさし著『連鎖街のひとびと』... 4

『聖書』を教会で英中日3か国語で読む(20132015年)... 4

コリン・サブロン著『シベリアの旅』... 5

アミアン・マアルーフ著『サマルカンド年代記、「ルーバイヤート」秘本を求めて』... 5

井上靖著『敦煌』(再読)... 5

アレクサンドラ・カヴェーリウス著『ウィグルの母、ラビア・カーディル自伝』... 5

2014... 6

魯迅著『故郷』、『村芝居』、キリスト教『聖書』など(中国語).. 6

石川隆俊著『なぜヒトだけがいくつになっても異性を求めるのか』とボボワール著『老い』... 6

『中国全史』と『中国通史』(中国語)... 7

村上春樹著『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』... 7

浅田次郎著『蒼穹の昴』... 8

明平暢男著電子ブック『シャーロックの猫カフェ1』... 8

宮本輝著『ドナウの旅人』... 9

内田樹・中田考共著『信教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教』... 9

 

 

この時期は中国・大連にいたので、その関係の本が多い。

 

20012012

 

中村淳著『まじめなキヨちゃん――劣等生長じて高校教師になる』(2001年)

私の高校3年生の担任、中村淳先生が『まじめなキヨちゃん———劣等児長じて高校教師になる』( 1987 年)という本を出版されていて、これは我々西高の上級生たちがまだ先生がお元気な頃、彼が代用教員として朝鮮で働かれて、苦労して高校教諭となったことなどの先生の一生をまとめた本で、私が2001 7 月の葬儀の直後に入手し、その年の8月末から中国へ大学で日本語教師として赴任する祭に読んだもので、改めて先生を見直した。

 

大前研一『チャイナ・インパクト』(2002)、『ロシア・ショック』(2008

退職後中国・大連のソフトウェアパークで働いて(奉仕して)いる時に『チャイナ・インパクト』を読んで、大連に子会社を作りIT関連の外国企業へのプレゼンにこれをよく引用した。ロシアへ旅行した前後に『ロシア・ショック』も読んで多少の理解は進んだが、ロシアへ進出する企業は極端に少ない。

ダン・ブラウン著「ダ・ヴィンチ・コード」(2004年)

リック・ウォレン著「人生を導く5つの目標」(2005年)

キリスト教『聖書』をコーヒーショップで読む会(2006年)

J. & D. ネイスビッツの「中国のメガトレンド」(2010年)

去年の秋にCCTV9(中国の英語テレビ局)の「ダイアログ」19:30~20:00を見ていたら、ジョン・ネイスビッツ(John Naisbitt)が登場してきた。昔懐かしい名前で、1980年代だったと思う、アルビン・トフラーなどと共に「未来学者」と呼ばれていて、影像学者のマーシャル・マクルーハンなどに対抗して(?)有名だった。彼が書いた「メガトレンド」(Megatrends、大趨勢)が有名で、いま何をしているかと思ったら、その後「アジアのメガトレンド」なども書いて、いまは中国・天津に移って、最近若い奥さんのドリスさんと「中国のメガトレンド」(China’s Megatrends)を書いたという。そこで、アメリカへ旅行する友人(大島聡)に頼んでおいたところ、先週買ってきてくれたので取りに行ったら、面白そうな本なので自分のものにしたいからお貸ししますということで、借りてきて読んだ。

要するに、鄧小平以降の中国のメガトレンド大趨勢つの支柱、すなわち新精神の啓蒙Emancipation of the mind、トップダウンとボトムアップのバランスBalancing top-down and bottom-up、森の枠を定めて樹木を養なうFraming the forest and letting the trees grow、石を確かめながら川を渡るCrossing the river by feeling the stones、芸術家とインテリの処遇Artistic and intellectual ferment、世界への復帰Joining the world、自由と公平さFreedom and fairness、オリンピック・メダルとノーベル賞From Olympic medals to Nobel prizesでまとめていて、まあまあの内容だった。

多少の批判をすると、天安門事件を「トップダウンとボトムアップ」の部分で、民衆の共産政権のおもに経済政策へのフラストレーションと説明していて、中国で書き、中国語版がすぐ出版されるのをあまりにも意識しすぎる書き方だ。また、チベット問題については「エピローグ」の部分で、「ダライ・ラマ時代のチベットはまるで古代の奴隷制度のようだったのを共産党政権が開放した」という内容に多くの説明をさいていて、まるで中国政府の公式見解を代表しているようだ。中国で働くときの難しい面を垣間見た気がした。 (2010.03.20.)

 

鮎川哲也著『ペトロフ事件、鬼塚警部事件簿』(2010年)

探偵小説家というと、私は子供時代に読んだ江戸川乱歩、横溝正史や、シャーロック・ホームズやアルセーヌ・ルパンを書いた作者しか知らなかった。先週、友人がロシアのボルシチを作るので来いということで出かけたら、鮎川哲也という大連育ちの作家で、その処女作が「ペトロフ事件、鬼塚警部事件簿」(光文社文庫、1950年に雑誌「宝石」別冊に発表)という、東京の警視庁から戦前のハルビンへ、その後大連へ派遣された鬼塚警部が、大連の夏家河子(渤海に面した海岸避暑地)で殺されたロシア人富豪の殺人事件の犯人を追う探偵小説を貸してくれた。

読みだしたら大変面白くて、この土日に読み終わった。戦前の大連の地図や満鉄・大連~旅順線の時刻表まで載せていて、鬼塚警部はいま私が住んでいるところから200mくらい離れたところ(西安路と五一路の交差点)にある沙河口警察署に勤めていて、当時の大連の町と人々の描写が探偵ものらしく詳細にあり、物語は満鉄の「あじあ号」に乗ってハルビンに展開して行き、そこで解決となる。戦前の大連というと清岡卓行の「アカシヤの大連」くらいしか知らないのだが、この本は大連の歴史に多少でも興味ある人にはお勧めだ。 (2010.03.20.)

 

井上ひさし著『円生と志ん生』(2012年)

大連に関する本には清岡卓行の「アカシヤの大連」など、鮎川哲也の「ペトロフ事件」は分っていて持っているが、井上ひさしが劇「連鎖街のひとびと」(2000年)、「円生と志ん生」(2005年)を最近書いたことを知った。きっかけになったのは友人が「井上ひさしの大連、写真と地図で見る満州(こまつ座との共著、小学館、2002年)を貸してくれて、井上は大連に住んだことはなかったが、小学校の同級生が大連へ転校して「大連は夢の都」という絵葉書をくれてから大連の絵葉書の収集家になり、2010年に亡くなる前に上の劇2編を書いている。さっそく藤沢市の図書館で「円生と志ん生」(こまつ座2005年初演)を見付けて読んでみた。六代目円生と五代目志ん生が終戦直前に満鉄の子会社に呼ばれて満州で落語を始めたらすぐ敗戦で日本へ帰れなくなり、まず大連へ逃げ帰って、そこで翌々年の1月に帰国するまでに、ふたりがそれぞれの生活をして、密航船にだまされたり、修道院でイエスとマタイに間違えられたりしながらの(井上ひさしは子供時代に仙台のラ・サール会の孤児院で育てられたのでキリスト教や聖書をよく知っている)、大連でのドタバタ生活を描いたもので、当時の大連の模様をよく調べて書いている。セックスをやる場面も出てくるので、舞台では(新宿の紀伊国屋劇場などで上演している)どうやっているのだろうか。もうひとつの劇「連鎖街のひとびと」は予約したので来年早々読んでみると同時に、これら2編は最近上演もされているので機会があれば見てみよう。 (2012.12.28.)

 

2013

井上ひさし著『連鎖街のひとびと』

先々回書いた井上ひさし著『円生と志ん生』に続いて、市内の別図書館に予約しておいた彼の本『紙屋町さくらホテル』を入手したので、そこに含まれている「連鎖街のひとびと」(こまつ座2000年初演)を読んだ。(図書館の端末から予約して、本が届くとインターネットで知らせてくれるのを初めてやってみた。)連鎖街は大連駅前のいまは青泥窪橋と呼ばれているところで、いまも商店などが並ぶ繁華街だ。戦後すぐそこの今西ホテルに缶詰めにされたふたりの劇作家が、大連を占領中のソ連軍司令部に頼まれてソ連から来る訪問客の歓迎用の劇の創作を強要され、気が進まぬままもと満州国文化担当官と白系ロシア人娘と大連中央放送局管弦楽団副団長も登場してのドタバタの中でオペレッタ「シベリアのリンゴの木」を完成するが、ソ連軍は軍内に赤軍合唱団もと団員が何人かいるのを発見して「赤軍合唱団の夕べ」に替えてしまい、この劇を採用しなくなったというような内容。当時の大連が面白くよく描かれていて、大変興味があるものだった。 (2013.01.07.)

 

『聖書』を教会で英中日3か国語で読む(20132015年)

 

コリン・サブロン著『シベリアの旅』

コリン・サブロン著「シベリアの旅」(Colin Thubron, «In Siberia», 1999)図書館から借りて読み終わった。これはシベリアへ来年あたり行きたいと思っていて読んだもので、1990年代前半のロシアがもっとも混乱した時期にイギリス人がシベリアの隅々まで旅したもので、南のアルタイ山脈から、エニセイ川の河口の北極圏まで、東はハバロフスクからマガダンへも旅してロシア人にも少数民族にも話しかけ、著者は様々な知識をひけらかしているが、全体的にシベリアはもう救いようがないという感じで、これは間違っていると思った。第4章「国境地帯」(中国・モンゴルとの国境)に興味ある下りが2つあり、一つはオビ川の上流のアルタイ共和国で発見されたスキタイの「ウコクの氷の王女」で、近々の中央アジア旅行と関係があったので2つのWikipedia記事「ウコクの女王」と「アノーヒン博物館」(英語版も)を作っておいた。もう一つはそこから東へサヤン山脈を越えたチュヴァ(Chuva)で(エニセイ川の上流)、シュシェンスコエでレーニンの流刑地とキジルでシャーマンを訪問する箇所だ。(2013.05.08.)

 

アミアン・マアルーフ著『サマルカンド年代記、「ルーバイヤート」秘本を求めて』

アミアン・マアルーフ著「サマルカンド年代記、『ルーバイヤート』秘本を求めて」(Amin Maalouf, «Samarcande», 1988)も図書館から借りて読み終わった。今年ウズベキスタンへ行ってサマルカンドへも行くので借りてきたもので、レバノン生まれのアラブ系フランス人が書いた歴史フィクション。11世紀に活躍したオマル・ハイヤームがサマルカンド・イスファハーン・ネルヴで詩集「ルーバイヤート」を完成して、その手稿が失われたのち、18世紀後半にパリへ出現し、フランス系アメリカ人がイラン立憲革命後に入手して、それを持って豪華船タイタニク号で渡米する過程で再び失われる模様を書いて、まずまずだった。 (2013.05.08.)

 

井上靖著『敦煌』(再読)

5月は中央アジアの西側のウズベキスタンへいったが、6月は中央アジアの西側の中国・新疆ウイグル自治区へ行き、帰りに甘粛省敦煌の莫高窟(初めて)と陝西省西安(4回目)にも寄る予定。そのためもあり、以前学生時代に読んだこともある井上靖著『敦煌』を図書館から借りて、改めて読んでみた。20世紀の初頭に敦煌の莫高窟で昔の貴重な仏教経典が多数発見され、清朝政府が全然興味を示さない中、海外から来たスタインやペリオや大谷探検隊が持ち帰るという有名な事件があったが、それは北宋の頃西夏につかまってその外人部隊に組み入れられた漢人が西夏語を学び、仏典を西夏語に翻訳する事業にたずさわり、後に反乱を起こしたので西夏軍に攻め込まれる前に埋めたものという歴史小説で、前半は面白かったが、後半はそうでもなかった。私は甘粛省の蘭州へはいったことはあり、でもそこから西へ行くのは初めてなので楽しみにしている。 (2013.05.30.)

 

アレクサンドラ・カヴェーリウス著『ウィグルの母、ラビア・カーディル自伝』

アレクサンドラ・カヴェーリウス著「ウィグルの母、ラビア・カーディル自伝」(講談社、2009、ドイツ語版2007の翻訳)をワイフが図書館から借りてきたので、新疆ウィグル自治区の旅行を控えて急いで読んだ。(Rediya Kadeer·卡德Alexandra Cavelius, “Die Himmelsstürmerin” (2007Wilhelm Heyne Verlag, a division of Random House GmbH, Munich) 彼女は1948年新疆の北部アルタイに生まれ、中部のクチャやアクスなどで生活して、中国有数の商人となり、中国政治協商会議の場で共産党政府の新疆ウィグル自治区管理を糾弾したため1999年から6年間投獄され、2005年米国へ亡命。現在、世界ウィグル会議議長、在米ウィグル人協会会長、ワシントンDC在住で、つい最近世界ウィグル会議を日本で開催しているので、チベットのダ・ラと並ぶ中国政府にとっては頭の痛い存在。投獄中の記述があり、ナチ時代のドイツ、スターリン時代のソ連、戦時中の日本よりもひどい扱いをされたようだ。今回の旅行にもこれはよく覚えて、慎重に行動しよう。 (2013.06.06.)

 

2014

 

魯迅著『故郷』、『村芝居』、キリスト教『聖書』など(中国語)

日本語コーナーという中国人の人たちと日本語を話す会で、魯迅の『故郷』、『村芝居』、キリスト教『聖書』などを英中日本で読む会を始めて、中国語を学んだ。

 

石川隆俊著『なぜヒトだけがいくつになっても異性を求めるのか』とボボワール著『老い』

先日訪問した高校の同級生(もと有名大学の医学部長)が昨年出版した本『なぜヒトだけがいくつになっても異性を求めるのか?』(かんき出版、2013年)を近くの図書館にリクエストをしたので買ってくれると思ったら、座間市図書館から2週間借りてくれた。ハワイ滞在中だったので妻に借りてもらって、日本に帰国後翌日返さねばならないので、さっそく速読をした。内容は、

 プロローグ:性の聞き取り調査をやった背景

1.高齢女性が語る性の現実(16例と4つのコメント)

2.高齢男性が語る性の現実(17例と3つのコメント)

3.いまさら聞けない性の知識(13例)

4.老練樹の愛と性を理解するために(書物に現れた)

エピログ:私の「ヰタ・セクスアリス」

女性のインタビューは念入りに、男性のインタビューは簡単で、様々な文学者の老齢の性に関する紹介もうまくまとめていなくて、エピログはおのろけに近くこのために書物を書いたとも取れるが、全体に楽しく読めるいい本だった。同級生からもらった3つの書評は全部インターネットで発見した:

●月刊誌『壮快』(マキノ出版)20143月号p.48-49性力アップ術

●週刊誌『女性セブン』(小学館)2014130日号p.73 Book Review 著者をたずねてみました:石川隆俊さん

(内容は以下に)

http://www.zakzak.co.jp/love/news/20140131/lov1401311530003-n1.htm

http://www.zakzak.co.jp/love/news/20140131/lov1401311530003-n2.htm

●週刊誌『週刊朝日』(朝日新聞社)2013111日号p.94 話題の新刊「なぜヒトだけがいくつになっても異性を求めるか」石川隆俊

彼の本の中で、シモーヌ・ド・ボーボワール著『老い』上・下巻(人文書院、原著La Vieillesse1970年、英文The Coming of Age)が2~3ページに渡って引用されているので、これも図書館から借りて、速読した。この問題の古典らしく、出だしの釈迦牟尼が老人問題を意識して出家したことから始まって、中国の老人天下(ただし若い時には我慢、我慢!)まで、古代から同時代のことまで、西洋から東洋まで、よく書いてあった。医学的考察は、もちろん石川さんの本が最近の「海馬」の研究まで書いているので、隔世の感がありました。 (2014.07.10.)

 

『中国全史』と『中国通史』(中国語)

大学院留学で初めてアメリカへ行った時に、アメリカの歴史の本を英語で読んで大変役に立った。そのせいか、中国でも歴史書を読みたいと思い、『中国全史(彩図版)』4巻を買ってあるが、先週やっと読む機会を得て、第1巻『通史』で中国の近代史を清朝のころから週に一回、友人と一緒に読みだした。「康乾盛世」とは康熙帝・乾隆帝の清朝全盛期を指すが、康熙帝は順治帝が天然痘で亡くなったあと8歳で皇帝となり、呉三桂などの摂政がのさばっていたのを、20才のころ彼を雲南省の総督として追いやり、その後彼の叛乱を鎮めて権力を掌握していく過程などが書いてあり面白い。また友人から頼まれて、日本へ行きたいので日本語会話を学びたいという若者の相手をしているが、相互学習にして第3卷『秘史』から「孔子是野合而生[口馬]?」を選んで読んでみたら、礼を重んじる孔子も実は強姦された母からの生まれでなどと司馬遷の『史記』に書いてあると、一般の中国人も知らないことも学んだ。 (2014.08.02.)

先々週に続いて『中国全史』の近代史から、「西方列強侵入中国、洋務運動、武昌起義」(辛亥革命)を先生と一緒に読んだ。日本は小さな国で欧米列強もあまり興味がなくてか、江戸末期に優秀な人々が活躍したためか、外国の侵略を辛くも免れたが、中国は清朝の衰退期でもあったので、「租借地」の名目で各所を外国に占領されたので、そうした呻吟が伝わってくる気がする。また孔子の言葉に、「身体髪膚(はっぷ)、之を父母に受く。敢えて(きしょう」せざるは、孝之始也。」(身体皮肤,受之父母,不敢毁伤孝之始也。)を高校で習った。『論語』にあると思ったが、先生が調べてくれて、これは孔子の五大言行録の内の『孝経』からだという。実は、高校の時に同級生が「」は何と読むかとチャレンジしてきて分からなかったからよく覚えるに至ったもので、私が悲しい時も、苦しい時も、自殺何かを考えるのはいけないとことだと思い直した、想い出の言葉だ。(2014.08.05.-06.)

今週も友人に2回来てもらって、『中国全史第一卷、通史』の近代史から明清小説、中華民国成立、袁世凱称帝、五四運動、軍閥混戦(合計8ページ)を中文で読んだ。孫文に代表される1912年成立の中華民国(台湾にいる時に私がよく学ばされた)が袁世凱などの旧勢力に邪魔されて、1917年には溥儀が皇帝として12日間再登場など、様々の経緯をしてきたことが分かった。 (2014.08.14. & 16.)

 

村上春樹著『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

午後の日本語コーナーは「交通」を話題にして、先々週旅順への202路延長線の話をしたあと、みんなで自分の故郷(遼寧省錦州、山東省東営、内蒙古フフホトなど)へ帰るのはどういう交通機関に乗るか、日本人はどこの出身で、どうやって日本へ帰るかを話し合った。これが終って、村上春樹の『1Q84』など日本の小説を抱えて読んでいるような上級者3人(李小平、劉健、静思陽)が我が家へ来て、三島由紀夫の『豊穣の海』4部作から『春の雪』、Sir Arthur Conan Doyle著『The Complete Sherlock Holmes Volume IIなどを借りていき、代わりに村上春樹の最新作色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(20134月)を貸してくれた。小説といえば、彼の『ノルウェイの森』、『海辺のカフカ』(2002年)、長野市での単身赴任時代に池田満寿夫著『エーゲ海に捧ぐ』(1977年)などを読みだしたことがあるが、みな猥雑で面白くなく読み終わってなくて、最近は旅行・それに関した歴史の書物だけを読んできた。 (2014.08.09.)

この村上の最新作は筋がしっかりとしていて、名古屋の高校での仲良し5人組の一人が東京の大学へ行き、突然絶交を言い渡されて理由が分からず暗い大学生活を過ごし、16年も経ってから新しい恋人に言われて4人を訪ね歩き、なぜ絶交されたかの発見の巡礼を行なうという多少ミステリー風のもので、土曜日夜に読み始めて少し眠ってから日曜日の早朝で読み終わり、十分楽しめた。通常私は本の始めと終わりを読んで、中身は少しだけ読むという「速読」をするが、この本の終わりの章に新宿駅の人と電車の出入りの記述があり(私はこの駅のそばで生まれ育ったのでこの駅はよ~く知っている)、それが秀逸なので、全部読む気になったもの。著者は上に書いた本題の他に、6つ位の副題を用意していて(主人公の職業・鉄道駅作り、5人組の2人の女性の一人が弾くピアノ曲・リストの『巡礼の年』、3人が従事する現代的な職業、人と色彩の関係、職業を持つ女性、女性の親密な友人関係と男性の疎遠な友人関係)、それを小説中で何回か違った形で叙述して、小説家はどうしてこうも奇想天外な構造を生み出せるか、本当に感心した。書名が長いのが気になって、どうやら英文で「Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage」とあるもの訳らしく、『色彩のない多崎つくると巡礼の歳月』あたりでいいと思うが、中文版はもうこの直訳『没有色彩的多崎造和他的巡礼之年』で出ているのを発見

 日曜日はこのあと、村上春樹の最新作読了で多少ハイになり、教会の昼食時にも日本語テーブルでこの本の話をして、午後の日本語コーナー@神谷中医医院でもした。この日は「鬼の日」で(墓参りや街頭で黄色い紙を燃やす日)、後者への参加者が少なかった。夕方の三か国語で聖書を読む会では『使徒行伝』の最後から2番目の章を読み、まもなくこれを読み終える。各人のクリスチャンとして生活のシェアがあり、中国語が分からなくなり、早めに帰宅した。 (2014.08.10.)

 

浅田次郎著『蒼穹の昴』

大連の友人が浅田次郎著『蒼穹の昴』(講談社文庫)4巻を領事館の図書室に寄付するけど、その前に読むかい?」というので、貸してくれた。大体私はこの頃ほのぼのとした愛の物語が好きで、こうした大時代がかった読み物は好きではないと思っていたが、書き出しが科挙の制度と宦官の制度の詳しい叙述で面白くなり、日本では電車に乗って文庫本を読むのに最適で持ってきた2巻目はすぐ読んでしまい、3・4巻目は図書館から借りて今度の台風を待つ間に読み終わった。話の後半は曽国藩/李鴻章の「洋務運動」の流れを汲む康有為を中心に光緒帝と梁啓超(文秀、史了)など変法維新派の「戊戌の変法」とそれに対する慈禧(ツーシー=西太后の中国名)と栄禄と袁世凱(と創作上の宦官で幼な友達・李春雲)など守旧派の反動「戊戌の政変」を描いたもので、康有為・梁啓超は日本へ逃れた。(話の途中でイエズス会宣教師・画家のカスティリヨーネ(Giuseppe Castiglione、郎世寧)と『四季』を作った作曲家のヴィヴァルディーの話、王逸が脱獄して湖南省で毛沢東に教える話、などを勝手に織り込んでいる。)この変法には日本の明治維新の影響がこれほど多いとは知らなかったし、最近中文で読んだ中国近代史の深読みをした感じでもあり、浅田次郎の創作とはいえ面白かった。 (2014.10.13.)

 

明平暢男著電子ブック『シャーロックの猫カフェ1』

土曜日に電子ブック『シャーロックの猫カフェ1』を読了した。高校の同級生(明平暢男)が書いたもので、先々週Amazonからダウンロードした。導入部は猫好きの著者が猫について詳しく書いているので、例えば猫には3種類あってウンヌンは常識なのか著者の勝手な創作なのか、猫が好きではない私には半分くらい分からなかった。(彼はこの3種類のうちのひとつ「Angelcat」をハンドルネームに使っている。)この導入部のハードルを越えるのに2・3日かかったが、あとはこの人間の言葉も話す猫が短期間の野良猫生活を終えてもとのサヤにおさまって、コーヒーショップでいろいろな相談に乗り、最初の話は美しいがそのために婚期を逸した女性の相談に乗り始めるところで終わっていて、電車で横浜へ行って帰る期間に読み終わった。この女性はセックスをする瞬間に男性が結婚相手としてふさわしいか全てが分かるが、いつもその手前で終わっていて、まだ美しさを保つ50歳の手前でもまだ処女だというので、かなりの創作で、また面白い想定だと思う。どうやら以前流行った新聞小説のように、続きは次の電子ブックへとなっていて、その宣伝もこの本の終わりに書いてあるが、私は短気で新聞小説が嫌いなので次を読むかどうか迷っている。面白いやり方なので次の本を読みたいなという気持ちと、この忙しい現代にできたらこうした数冊の電子ブックはまとめて完結したものを販売して欲しいなという気持ちが相殺している訳だ。 (2014.10.18.) 注:同時にAmazonから買ったもう一冊の電子ブック『The Martian Manifesto: The Attempt』(米国の友人が書いたもの)の方は、ロケット打ち上げと火星着陸の宇宙用語が沢山書いてあり難解で、まだ全体が51章のうちの4章だけを読んだだけだ。 (2014.10.18.)

 

宮本輝著『ドナウの旅人』

先日、長江(10省を経て6300キロ)の三峡下りを友人に話していたら宮本輝著『ドナウの旅人』(198385年に朝日新聞へ連載)の話が出たので、図書館から借りて読んだ。内容は、ドイツ在住経験がある次女が昔のドイツ人恋人と一緒に、若い男性と出奔してドナウ川下り(ドナウ川は当時7か国を経て2760キロ)をする母を追いかける話だが、実際にドナウ川の船旅をするのはオーストリアに入るまでで、鉄門を抜ける場面もなく、あとは汽車でウィーンとブダペストとベオグラードで大した理由もなく長滞在したあと、ソフィア、ブカレストを経て、黒海沿岸のスリナまで行って、結局母は黒海に朝日が昇るのも見ずに、くも膜下出血で亡くなるという話だった。まだヨーロッパ旅行がそんなに頻繁でない時代だったのが、新聞小説で人気だったのだろうか。著者が取材旅行をした経験でいろいろと細かく通りの名前まで書いてあり感心したが(私も2・3年前に旅行したウィーンについてそんな詳しくは書けない)、船で川下りはごく少なくて期待に反して、話も新聞連載小説に特有な饒舌さで余り面白くなかった。ただ、彼の旅行記『異国の窓から』も読んでみたいので図書館へ予約し、誰かヴォルガ川紀行を書いていれば読んでみたいと思う。 (2014.10.16.)  その後宮本輝著『異国の窓から』を読んでみたが、これは極端に面白くなかった。 (2014.10.27.)

 

内田樹・中田考共著『信教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教』

妻が図書館から借りてきた内田樹(Tatsuru、もと神戸女子大学)・中田考(もと同志社大学)共著『信教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教』(集英社新書、2014年)のタイトルが面白そうだったので、前夜から読みだして、この日東京への行き帰りに読み終えた。イスラム教徒で、日本で「カリフ道」を宣伝している中田と、「凱風館」学塾兼道場の内田の対談集で、イスラムの用語がいろいろ分かって、ウェストファリア条約以降国家が基礎になっている体制は打破せねばならないと同感した以外は、イスラム教の宣伝の本だった。 (2014.12.05.)

 

 

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Created by Yoshi Mikami on September 3, 2016. Updated on Dec. 18, 2016.